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本多 充; 福山 淳*
no journal, ,
トカマクプラズマの輸送研究のためにこれまで二流体方程式系に基づく1次元輸送コードTASK/TXを開発してきたが、円柱座標系に基づく定式化になっていた。ゆえに、平衡形状の影響が入らないため実際のトカマクにおける数値計算ができない他、既存の新古典輸送理論との整合性が必ずしも明確でないなどの問題点があった。二流体方程式を直接輸送コードに適した形で書き下し、得られた方程式系を数値実装することで、トカマク磁気座標系におけるTASK/TXの開発をしている。講演では基礎方程式系と既存理論の整合性について議論すると共に、数値実装と予備的な計算結果について報告する。
森林 健悟
no journal, ,
重粒子線の動径線量分布は重粒子線癌治療の治療計画に使用されているが、細胞の致死率で重要な領域である重粒子線の軌道付近は不確かである。そこで、この領域において、この分布を現実に近づけるため、動径線量シミュレーションモデルの開発を行っている。本講演では、二次電子の放出角度の動径線量への影響のシミュレー ション研究の成果を報告する。二次電子のエネルギーが小さいときは、放出角度の動径線量への影響はほとんど見られないが、二次電子のエネルギーが70eVより大きくなると、重粒子線の軌道付近の動径線量に大きな影響を与え、放出角度分布が無視できなくなることがわかった。
太田 幸宏; 永井 佑紀; 町田 昌彦
no journal, ,
銅ドープされたトポロジカル絶縁体は超伝導秩序を発現することが確認され、バルクトポロジカル超伝導体の候補として着目を集めている。その有効2軌道モデルがFuおよびBergにより提案され、その特徴は、3次元ディラック型分散を有する電子の上で短距離の電子密度相互作用により超伝導ギャップが開く、という点に集約される。本講演では、こうした電子分散におけるギンツブルグ-ランダウ方程式を平均場理論により導出し、その超伝導秩序の熱力学的あるいは輸送特性を評価する手法を提案することを目的とする。特に、磁場侵入長に超伝導秩序のタイプに応じた特性が反映されることを示し、CuBiSeで発現している秩序同定の手法を探索する。
深谷 有喜; 圓谷 志郎; 境 誠司; 望月 出海*; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 社本 真一
no journal, ,
現在、グラフェン/金属基板の界面に異種原子をインターカレーションさせることにより、グラフェンの電子状態を意図的に変化させる試みがなされている。本研究では、全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いて、グラフェン/Co基板間へのAu, Ag原子のインターカレーションによる構造変化を調べた。グラフェン/Co表面上にAu原子を蒸着し、1000Cでアニールしたところ、TRHEPDロッキング曲線のピーク位置が大きく変化することがわかった。解析の結果、最初Co表面上のグラフェンの高さは2.24であったが、Au原子の蒸着・アニール後のグラフェンの高さは3.29であった。したがって、Au原子がグラフェン/Co基板間にインターカレートすることにより、グラフェンと基板原子との相互作用が変化し、結果としてグラフェンの高さが大きくなったと考えられる。講演では、Au原子のインターカレーションのメカニズムの詳細やAg原子のインターカレーションとの比較についても報告する。
池田 隆司
no journal, ,
Cs-137等の放射性同位元素を土壌から効率的に分離回収する技術の開発は福島の環境回復を進める上で喫緊の技術課題となっている。本研究では、土壌から放射性セシウムをより効率的に分離回収するための技術開発に資することを目的に、第一原理分子動力学に基づいたシミュレーションにより福島の土壌に豊富に含まれる放射性セシウムが吸着しやすい粘土鉱物へのセシウムイオンの吸脱着過程等を原子・分子レベルで調べている。今回は、バーミキュライト等が属す2:1型粘土鉱物の層間におけるアルカリ金属イオンの吸着状態を粘土層の組成を変えてメタダイナミクスにより系統的に調べた結果を報告する。
安居院 あかね; 櫻井 浩*; 鈴木 宏輔*; 田久保 翔太*; Liu, X.*
no journal, ,
本研究では遷移金属-希土類、TbCo膜について磁気コンプトン散乱を用いてミクロスコピックな磁化過程を測定した。スピン選択磁化曲線(SSMH)の向きは全磁化の向きに一致し、軌道選択磁化曲線(OSMH)はそれらと逆を向くこと、保磁力はどれも一致することが分かった。また、スピン成分と軌道成分の比は、ほぼ一定なことが分かった。
芳賀 芳範; 松本 裕司*; 立岩 尚之; Pospisil, J.; 山本 悦嗣
no journal, ,
アクチノイド化合物、特にウラン化合物における新物質探索について報告する。アーク溶解、フラックス法、気相成長などにより最近得られた新物質およびその物性をまとめる。
郷地 順; Pospisil, J.; 芳賀 芳範; 立岩 尚之; 山本 悦嗣
no journal, ,
UIrSiは斜方晶TiNiSi型の結晶構造を持つ。先行研究では、結晶場の影響により、80K以下で磁化率がキュリーワイス則から外れ、さらに8K以下で近藤効果による電気抵抗の増大が観測されている。今回、我々は、高純度試料について基礎物性の測定を行うことで、より詳細な情報を得ることを目的として単結晶を育成し、さらに超高真空エレクトロトランスポート法による精製を行った。講演では作製したUIrSiの結晶パラメタ及び、電気抵抗、比熱、磁化率などの測定結果について議論を行う予定である。
徳永 陽; 青木 大*; Mayaffre, H.*; Krmer, S.*; Julien, M.-H.*; Berthier, C.*; Horvati, M.*; 服部 泰佑; 酒井 宏典; 神戸 振作; et al.
no journal, ,
ウラン系遍歴強磁性超伝導体UGe, URhGe, UCoGeでは同じウランの5f電子が強磁性と超伝導を同時に担っており、このことは強磁性揺らぎを媒介とした非BCS型の超伝導機構の存在を直感的に示唆している。我々はこの強磁性超伝導のスピン揺らぎと超伝導の関係を明らかにするため、Coを10%置換したURhGe単結晶においてCo-NMR研究を行っている。今回の講演では、最近行った低磁場領域でのCo-NMRの結果をもとに、UCoGeとの比較を行い、この系全体の磁気揺らぎと超伝導の関係について議論する予定である。
筒井 健二; 遠山 貴巳*
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導物質における酸素K吸収端RIXSをクラスター計算に基づき議論する。特にキャリアドープした場合RIXSスペクトルの入射X線のエネルギー依存性を議論し、銅L吸収端RIXSスペクトルで観測される電荷励起スペクトルとの類似性・相違性を明らかにする。
金子 耕士; 松田 雅昌*; 筒井 智嗣*; Goh, S. K.*; 松元 卓也*; 今井 正樹*; 吉村 一良*
no journal, ,
篭状構造をもつSrIrSnは、常圧では=5 Kの超伝導に加え、150 K近傍にも転移を示す。高温の転移点であるは、物理・化学的圧力の印加により急激に減少し、転移が消失する近傍で、量子臨界点を示唆する振る舞いが現れる。の転移は非磁性の構造相転移だと考えられていることから、この物質では、従来の磁気的とは異なる、非磁性起源の量子臨界点の出現が期待されている。今回、このでの転移について、X線及び中性子散乱を用いてその詳細を調べた。=(1/2, 1/2, 0)で表される逆格子点において、以下で格子系起源の超格子反射が出現することを観測した。温度変化では、反射強度が以下から連続的に成長していることに加え、ヒステリシスを示さないことを明らかにした。さらに高温からに向けて、臨界散乱的な強度の増加も見られることから、の構造相転移は2次であると結論づけられる。この結果は、加圧によって現れる量子臨界点への連続性と、矛盾しない。本発表では、上記回折実験に加え、転移近傍におけるダイナミクスの結果についても合わせて報告する。
社本 真一; 森 道康; 梶本 亮一; 樹神 克明; 石角 元志*; 綿重 達哉*; 笠原 成*; 中村 充孝; 芝内 孝禎*; 松田 祐司*
no journal, ,
鉄系超伝導体-FeSeでは中性子非弾性散乱でこれまで高エネルギーの情報が得られていないことから、化学輸送法により合成した単結晶を用いて測定を行った。その結果、2種類の異方的な相互作用で説明できるスピン波的な振舞いが200meVまで観測された。
西畑 保雄; 中西 悠介*; 阪上 潔*
no journal, ,
量子常誘電体KTaOにX線を照射すると、低温において誘電率の異常が観察されることをこれまで報告してきた。試料はX線が照射された情報を記憶しており、誘電率の実部および虚部に履歴が観察される(メモリー効果)。紫外光による誘電異常も報告されているが、X線のようなメモリー効果は観察されていない。我々は誘電率の緩和時間の変化は、X線によるある種の格子欠陥の生成とネットワークの形成が原因ではないかと考え、格子欠陥のエネルギー準位を評価することを試みた。試料を2.5Kまで冷却し、X線を2時間照射した後に昇温しながら熱励起電流を測定すると、6, 27, 38Kでピークが観察された。それぞれのピークに対応した不純物準位の深さは0.002, 0.020, 0.031eVと評価された。この浅いレベルは効率的に光電子を励起することを可能にし、誘電率の異常をもたらしていると考えられる。
横田 光史
no journal, ,
交換相互作用と双極子相互作用のあるイジング系における磁区パターン形成について調べる。交換相互作用にランダムネスがある場合について、2次元系でのパターン形成や磁場中の振る舞いなどをシミュレーションで調べてきた。今回は、厚みを持った系を取り扱う。厚みがパターン形成などに及ぼす影響などを調べる。
針井 一哉; 中堂 博之; 大沼 悠一*; 小野 正雄; 家田 淳一; 岡安 悟; 松尾 衛; 前川 禎通; 齊藤 英治
no journal, ,
試料と測定コイルを回転させながら測定した核磁気共鳴について、核スピンの異なる核種におけるスペクトルを報告する。スペクトルは回転軸と測定コイルの角度のみに依存し、核スピンの大きさにはよらない。スペクトルピーク位置と強度の振る舞いは動的磁化率の計算からよく説明され、ベリー位相を用いた計算とも一致していることを示す。
米田 安宏; 尾原 幸治*; 永田 肇*
no journal, ,
非鉛圧電体材料のエンドメンバーとして有力なニオブ酸カリウム(KNbO)の局所構造解析を高エネルギー放射光X線を用いて行った。ペロブスカイト酸化物強誘電体では、従来変位型相転移と考えられていたBaTiO, PbTiO, NaNbOなどにおいて、秩序-無秩序型のコンポーネントが見出されている。そこで、KNbOにおいても局所構造解析を広範囲な温度領域で行うことによって、秩序-無秩序型のコンポーネントを見出すことを試みた。KNbOの最低温相は菱面体晶構造であるが、この菱面体歪は3度の相転移を経た立方晶相においても存在することがわかった。
阿部 浩之; 前川 雅樹; Zhou, K.*; 河裾 厚男
no journal, ,
近年、電子のスピンを利用した新たなデバイスの創生を目指して、スピントロニクス材料の研究が進められている。スピン偏極陽電子消滅測定法は、材料中の余剰スピンを検出することができる手法である。これは、陽電子と電子がスピン偏極している場合、消滅線のドップラー拡がり測定で得られる電子運動量分布がスピン反転に対して非対称性を示すことを利用している。スピントロニクス材料研究で重要視される薄膜材料の評価を行うために、我々はスピン偏極陽電子ビーム開発を進めている。本研究では、このスピン偏極陽電子ビームを用いて、酸化亜鉛(ZnO)の空孔誘起強磁性の検出を試みた。100keV酸素イオン照射により、表面近傍に空孔型欠陥を導入し、正負磁場中において、消滅線のドップラー拡がりスペクトルを観測した。その結果、磁場反転に対してスペクトル強度が変化することを見出した。これは、陽電子と消滅する電子がスピン偏極しており、磁場によってその向きを変えることを示している。
山内 宏樹; 社本 真一; 近藤 啓悦; 石角 元志*
no journal, ,
スカーミオンなどの新しいスピンテクスチャが実現するカイラル結晶で働くDzyaloshinskii-守谷相互作用に着目し、強磁性交換相互作用との競合による新奇な磁性の発現に期待して、空間群に属する新たなMnベースの化合物の合成に取り組んでいる。最近、Mn(Co,Ir)Siの合成に成功し、多結晶体の磁性を評価し始めた。MnCoSiでは、磁気転移点と思われる異常を100K付近に観測し、100KでもZFCとFCの磁化の値に差があること、かつ、上に凸の弱い強磁性的な磁化変化があることを見出した。過去にErikssonらによって報告されたインコメンシュレートな長周期磁気構造の存在を示唆する粉末中性子回折の結果と併せて、我々は、この系においてらせん構造(コニカル構造)が実現している可能性を考えている。
村上 洋
no journal, ,
逆ミセルは、無極性溶媒中で界面活性剤分子の自己組織化により形成され、ナノメートルスケールの球殻の中に水を含む。逆ミセルのサイズは実験的に制御可能であり、蛋白質分子やDNAを含む、水溶性分子をその中に溶かすことが可能である。そのため、逆ミセルを用いて、水や導入分子の物性のナノ空間拘束効果がこれまで広範に調べられてきた。最近我々は、界面活性剤AOTと溶媒イソオクタンを用いて調製した半径1nm程度の逆ミセルにおいて、導入色素分子の周りの水の拡散運動が室温付近で凍結しており、また、水媒質の格子緩和エネルギーが逆ミセル中の水分子数の少なさに起因して小さい事を示した。そこで、我々は逆ミセル中色素分子のホールバーニング分光を着想した。室温で色素分子の周りがガラス的であれば、永続的ホールバーニングが可能であり、また、小さな格子緩和エネルギーは、ホールバーニングスペクトル幅の先鋭化に導くと考えられる。ホールスペクトルの逆ミセルサイズやホールバーニングのための照射レーザー波長依存性の結果と、色素溶液や色素高分子膜の結果も示し議論する。
米谷 佳晃
no journal, ,
生体系の分子カイネティクスは、分子種により様々であるが、その違いがどのようにして生じるのかは、はっきりと分かっていない。本研究では、4つのイオン対LiCl, NaCl, KCl, CsClを対象に分子動力学シミュレーションを行い、カイネティクスに違いが生じるメカニズムを調べた。計算から導かれた解離レートコンスタントkは、4つのイオン間で大きく異なり、k k k k となった。これらの違いは、イオン対形成時の水ブリッジの形成率と相関していることが分かった。つまり、水ブリッジが形成しやすいものほど解離レートが高い。水ブリッジ数を反応座標として2次元自由エネルギー地形を解析した結果、この相関は、解離経路の自由エネルギー障壁から説明できることが分かった。つまり、水ブリッジが形成されているときの方が、形成されていないときよりも、自由エネルギー障壁が著しく低く、この違いが解離レートと水ブリッジ形成率の相関のもとになっている。